宝島社文庫
『このミス』が選ぶ! オールタイム・ベスト短編ミステリー 赤
『このミステリーがすごい! 2015年版』
「オールタイム・ベスト国内短編ミステリー」
ベスト10
第1位「戻り川心中」連城三紀彦
第5位「押絵と旅する男」江戸川乱歩
第6位「妖婦の宿」高木彬光
第7位「桔梗の宿」連城三紀彦
第8位「DL2号機事件」泡坂妻夫
収録のアンソロジー第1弾!
2ヵ月連続刊行!
『このミス』選者が選ぶ、珠玉の名作短編アンソロジーが登場!約100年に及ぶ日本ミステリー史のあらゆる短編の中から、『このミス』が誇る読者のプロが選んだ十編の名作たちを、二分冊で刊行。第1弾にあたる本書「赤」には、ランキング第1位の「戻り川心中」(連城三紀彦)をはじめとする五編を収録。日本のミステリー文学を代表する名作短編が揃うアンソロジー第1弾!(解説・新保博久)
※本作品に収録した作品には、今日の観点からすると差別的な用語・表現が含まれている場合があります。しかしながら、作品が書かれた時代背景などを考慮し、また、著者が差別的な意図をもって使用したのではないと判断し、発表時のままとしました。(編集部)
連城 三紀彦(れんじょう みきひこ) プロフィール
1948年、名古屋市に生まれる。早稲田大学政治経済学部を卒業。1978年、「変調二人羽織」で第3回幻影城新人賞を受賞しデビューを果たす。1981年、「戻り川心中」で第34回日本推理作家協会賞、1984年、『宵待草夜情』で第5回吉川英治文学新人賞、同年『恋文』で第91回直木賞、1996年、『隠れ菊』で第9回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞。2013年に死去、翌年に第18回日本ミステリー文学大賞特別賞を追贈された。ほかの作品に『私という名の変奏曲』『流れ星と遊んだころ』『造花の蜜』『小さな異邦人』『女王』など。
江戸川 乱歩(えどがわ らんぽ) プロフィール
1894年、三重県に生まれる。早稲田大学政治経済学科卒業後、多くの職業遍歴を経て、1923年、『新青年』に「二銭銅貨」を発表してデビュー。ほどなく日本最初の探偵小説専業作家として地位を確立するが、怪奇小説、幻想小説にも優れた作品が多い。長編では『黒蜥蜴』、「少年探偵団」シリーズなどがよく知られている。探偵小説誌『宝石』の編集・経営に携わったり、新人作家の発掘にも力を注いだほか、日本探偵作家クラブの創立に尽力するなど、日本の探偵小説界に多大なる業績を残した。1965年、死去。
高木 彬光(たかぎ あきみつ) プロフィール
1920年、青森市に生まれる。京都帝国大学工学部卒。1948年に江戸川乱歩の推薦による『刺青殺人事件』でデビュー。1950年、『能面殺人事件』で第3回日本探偵作家クラブ賞を受賞。探偵・神津恭介のほか、検事・霧島三郎、弁護士・百谷泉一郎など、魅力的な探偵キャラクターの創造で知られる。推理小説だけでなく、時代小説、SF、少年向け小説なども執筆した。おもな作品に、『わが一高時代の犯罪』『人形はなぜ殺される』『成吉思汗の秘密』『白昼の死角』『破戒裁判』など。1995年、死去。
泡坂 妻夫(あわさか つまお) プロフィール
1933年、東京都に生まれる。1976年、「DL2号機事件」にて第1回幻影城新人賞佳作入選。家業の紋章上絵師を継ぐかたわら、小説を執筆する。1978年、『乱れからくり』にて第31回日本推理作家協会賞を、1988年、『折鶴』にて第16回泉鏡花文学賞を、1990年に『蔭桔梗』にて第103回直木賞をそれぞれ受賞。奇術家としても高名で、1969年に創作奇術で第2回石田天海賞を受賞し、みずからの本名を冠した厚川昌男賞も制定されている。2009年、死去。ほかの作品に、『11枚のとらんぷ』『亜愛一郎の狼狽』『しあわせの書』『生者と死者』など。