『このミス』大賞シリーズ累計3300万部突破!
家なし・職なし・厄年の波子が、
古着屋・黒猫亭でアンティーク着物に出会った――
襦袢、半衿、名古屋帯、そして正絹の訪問着。
個性豊かな面々と着物が織り成す、連作短編集!
「着物を着始めた頃を思い出す、とても面白い内容です」
――松田恵美(イラストレーター/『きもの番長』著者)
【目次】
第一章・着物はじめの第一歩 / 古着屋・黒猫亭で、着物との出会い
第二章・襦袢の昼と夜の顔 / 気弱な客を見て自分を重ねた波子だったが……
第三章・半衿と、差し出された百本の手 / 赤ん坊が置き去りに? 母の行方は――
第四章・帯結びと裸の王子 / 身体を締め付けられる内科医の悩み
第五章・紅花染まる蜘蛛屋敷 / 客・礼次郎の勤める屋敷には不穏な話があり……
第六章・草履とブーツと北風と / 店の客に暴言を吐く少女の真意は?
第七章・春の宴の訪問着 / 文通相手のカコと、マリイの秘められた真実
火災と会社の倒産により家も職も失ったアラサーの元OL・波子は、香川県琴平の今は亡き祖母の空き家で暮らすことになる。洋服を調達しようとたまたま見つけた古着屋・黒猫亭で、店主のマリイに勧められるがまま、波子は着物を購入する。やがてマリイを通して店の常連だというカコから着物を譲り受け、文通を始めた。一方で着付けを学びながら、波子は黒猫亭で起こる騒動に巻き込まれて……。