痙攣して全身が一気に硬直する「電気ショック」の懲罰、
「この人間のクズが!」と怒鳴り散らす看護人、
一瞬にして私を無力にさせる劇薬投与の恐怖、
埃まみれの天井裏を這ってまで自由を求めた脱走劇、
牢名主の患者と女性看護師との院内SEX……
無縁社会で生きた40年超――
私が見て、体験したすべてを語ろう。
精神病棟での生活40年超――現在も精神病棟に暮らす61歳の時東一郎さん。精神病棟での暮らしは実に44年を数えます。人生のほとんどを閉鎖された病棟で過ごした時東さんはいったい何を見て、何を体験してきたのでしょうか。2度にわたる脱走劇、院内での恋愛、妄想、いじめ、薬物投与、病院の隠蔽体質――時東さんが見て、体験したすべてを赤裸々に語りつくします。
- 加筆・修正して文庫化して、2013年04月04日に宝島SUGOI文庫『精神病棟40年』を発売しました。
目次
- 時東一郎 略歴
1章 最後の脱走劇、そしてG病院への永久収容
2章 無縁社会に捨てられた人びと
3章 私を幻惑させたオンナたち
4章 閉ざされてゆく社会復帰への道
5章 それでもまた、春はやってくる
エピローグにかえて