完全密室の七四式戦車(ナナヨン)内で、
死体が見つかった――。
自衛隊組織内の事件に、女性自衛官・甲斐和美が挑む。
組織と個人の拮抗を背景に、現代社会の罪と罰をがっつり描けるミステリーは警察小説だけじゃない。そう高らかに宣言する新鮮な快作だ。――宮部みゆき[作家]
今しか書けない、すべてのエネルギーが籠められた作品。――解説・伊東潤[作家]
自衛隊内の犯罪捜査および被疑者の逮捕を行う部署である中央警務隊。甲斐和美三等陸尉は、突然の命令により、富士駐屯地で第百二十八地区警務隊の捜査に協力することになった。完全密室である七四式戦車の車内で見つかった遺体。それは単なる自殺と思われた事件だったが、内部からの告発により、殺人の可能性があるという。捜査を進めるうち、やがて甲斐は自衛隊組織の暗部に迫っていく……。
※この物語はフィクションです。作中に同一の名称があった場合でも、実在する人物、団体等とは一切関係ありません。