これが仏教。幸福になる心の教え。 |
あくまでも知的。どこまでも具体的。
明快な長老の語りを聞くうちに、 悩みようがなくなります。 玄侑宗久 |
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「生きること/死ぬこと」から「一切を貫く真理」まで
お釈迦さまの教えが、いきいきと語られる! |
話題の僧侶、スリランカ初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老による充実、
圧巻の法話集。 「仏教とは何か」「死後はあるのか」「生きること/死ぬこと」から「一切を貫く 真理」まで、お釈迦さまの教えが、いきいきと語られます。 養老孟司氏との対談『希望のしくみ』(宝島社新書)で提示された問題の数々は、 本書でさらに丁寧に語られています。 |
●著者からのコメント
お釈迦さまは、「心」について考えた方です。「誰もが幸せになりたくて、幸せを感じるのが心であれば、どうやったら幸せになれるのか、心を研究しましょう」ということです。
人間は「ご馳走が食べられたら幸せ」というわけではありません。おなかが痛いときには大好物も毒に見えるし、友達と食べるおにぎり一個で幸福を感じることもあります。だったら物質のことはさておいて、「幸せって何?」「なぜ私は幸せになりたいの?」「どうすれば幸せになれるの?」と心について考えたほうが、頭がよいのです。
この問題に取り組んで、史上はじめて正解したのがお釈迦さまです。その考え方は事実に基づく論理的なものなので、誰でも自分で確認できます。自分で実践すれば「あ、ほんとだ。すごく気持ちが落ち着いている」と実感できます。
ですから「人間として成長したいのですが、どうすればいいですか?」と問われるならば、ブッダに学ぶのが一番だと思います。私たちは人間なのですから、神や仏を見習えといわれても困りますね。ブッダなら人格、知性、すべてにおいて完璧です。世間のどんな人にも欠点がありますが、自分の成長のためには、手本は完璧なほうがよいのです。
お釈迦さまは教師としても完璧ですから、教え方も上手です。ぜんぜんむずかしくありません。そしてブッダに学ぶのであれば、いまここで仲良く楽しく暮らすその先に、生命として最高の境地があります。
私はテーラワーダ仏教の僧侶です。テーラワーダ仏教は、ブッダの教えを忠実に伝える仏教で、上座部仏教、上座仏教、根本仏教、原始仏教、初期仏教とも呼ばれます。インドで発生した仏教がスリランカに伝わり、以来、タイ、ミャンマーなどに伝えられ、またスリランカを占領したイギリスを経由して欧米に広がりました。
テーラワーダには、釈尊の教えを忠実に伝える「パーリ聖典」が伝えられています。パーリ語は古代インド語で、お釈迦さまご本人が話したと言われています。ですからパーリ語のお経を口ずさめば、お釈迦さまと同じ言葉を話したことになるのです。
仏教はそもそも宗教ではなく「目覚めた人(ブッダ)の教え」なのですが、テーラワーダにも宗教的な儀式、伝承はあります。それは人間のすることの常として付け加えられた文化的な装飾です。ブッダの教えはパーリ聖典を核として、出家比丘集団(サンガ)によって確実に守られています。
本書は法話をまとめたもので、内容が一部重複しています。ご了承ください。
みなさまがお釈迦さまご自身の教えに触れる機会を得られたことを、心から祝福いたします。
アルボムッレ・スマナサーラ
お釈迦さまは、「心」について考えた方です。「誰もが幸せになりたくて、幸せを感じるのが心であれば、どうやったら幸せになれるのか、心を研究しましょう」ということです。
人間は「ご馳走が食べられたら幸せ」というわけではありません。おなかが痛いときには大好物も毒に見えるし、友達と食べるおにぎり一個で幸福を感じることもあります。だったら物質のことはさておいて、「幸せって何?」「なぜ私は幸せになりたいの?」「どうすれば幸せになれるの?」と心について考えたほうが、頭がよいのです。
この問題に取り組んで、史上はじめて正解したのがお釈迦さまです。その考え方は事実に基づく論理的なものなので、誰でも自分で確認できます。自分で実践すれば「あ、ほんとだ。すごく気持ちが落ち着いている」と実感できます。
ですから「人間として成長したいのですが、どうすればいいですか?」と問われるならば、ブッダに学ぶのが一番だと思います。私たちは人間なのですから、神や仏を見習えといわれても困りますね。ブッダなら人格、知性、すべてにおいて完璧です。世間のどんな人にも欠点がありますが、自分の成長のためには、手本は完璧なほうがよいのです。
お釈迦さまは教師としても完璧ですから、教え方も上手です。ぜんぜんむずかしくありません。そしてブッダに学ぶのであれば、いまここで仲良く楽しく暮らすその先に、生命として最高の境地があります。
私はテーラワーダ仏教の僧侶です。テーラワーダ仏教は、ブッダの教えを忠実に伝える仏教で、上座部仏教、上座仏教、根本仏教、原始仏教、初期仏教とも呼ばれます。インドで発生した仏教がスリランカに伝わり、以来、タイ、ミャンマーなどに伝えられ、またスリランカを占領したイギリスを経由して欧米に広がりました。
テーラワーダには、釈尊の教えを忠実に伝える「パーリ聖典」が伝えられています。パーリ語は古代インド語で、お釈迦さまご本人が話したと言われています。ですからパーリ語のお経を口ずさめば、お釈迦さまと同じ言葉を話したことになるのです。
仏教はそもそも宗教ではなく「目覚めた人(ブッダ)の教え」なのですが、テーラワーダにも宗教的な儀式、伝承はあります。それは人間のすることの常として付け加えられた文化的な装飾です。ブッダの教えはパーリ聖典を核として、出家比丘集団(サンガ)によって確実に守られています。
本書は法話をまとめたもので、内容が一部重複しています。ご了承ください。
みなさまがお釈迦さまご自身の教えに触れる機会を得られたことを、心から祝福いたします。
アルボムッレ・スマナサーラ
※本書は、テーラワーダ仏教協会の機関誌『パティパダー』に連載されている法話「根本仏教講義」をもとにしています。現在、日本テーラワーダ仏教協会のHP http://www.j-theravada.net/に掲載されていますが、本書で大幅に再編集しました。
目次
- 第一章 人はなぜ祈るのか
第二章 生きるということ
第三章 死んだらどうなるか
第四章 幸せになる心の法則
第五章 不善の感情と向き合う
第六章 心の大人に至る道
第七章 一切は瞬時に変化する
第八章 すべては因縁で語られる
第九章 生きることが苦ならば