宝島社文庫
傑作! 文豪たちの『徳川家康』短編小説
そのとき家康はどうした!?
次々と襲いかかる試練に立ち向かう家康と家臣たち
NHK大河ドラマで注目の徳川家康の生涯を読む
第166回直木賞受賞作家
今村翔吾さん推薦!
「数多いる戦国武将の中、たった一人だけ到達した男の答えがある」
【収録作品】
芥川龍之介「古千屋」
大坂夏の陣で戦死した塙団右衛門の首実検を家康は……。
池波正太郎「決戦関ヶ原 徳川家康として」
天下分け目の決戦に挑む家康の勝機はどこに!?
滝口康彦「決死の伊賀越え――忍者頭目服部半蔵」
本能寺の変により、堺から脱出を図る家康一行。
南條範夫「願人坊主家康」
松平家に生まれた竹千代は徳川家康ではなかった!?
火坂雅志「馬上の局」
家康に生涯仕えた阿茶局は単なる愛妾ではなかった。
山田風太郎「倒の忍法帖」
家康の六男忠輝。英邁で豪傑、奇矯で凶暴な息子に戦慄する家康はくノ一を派遣する。
山本周五郎「御馬印拝借」
武田軍の三河進出を阻止するためにその身を捧げた徳川家臣団の戦い。
2023年のNHK大河ドラマ『どうする家康』の主人公は徳川家康。三河の土豪・松平家の子に生まれた家康だったが、幼少期は織田家・今川家の人質として育ち、松平家を継いだあとも今川、武田、織田といった勢力に翻弄され続けた。天下を平定した豊臣秀吉に臣従しつつも、最終的には豊臣家を滅ぼし、江戸幕府を開いた家康。波乱に満ちた生涯を送った家康とその家臣たちの姿を描いた歴史時代小説アンソロジー。
大河ドラマをより楽しむための副読本にもなる珠玉の一冊です。家康の人生の時系列に沿った順番に短編作を収録しているので、一冊読むことで家康の一生を味わうことができます。また、直木賞作家の今村翔吾氏にも推薦コメントをいただきました。
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芥川 龍之介(あくたがわ りゅうのすけ) プロフィール
1892年、東京生まれ。1914年、東京帝国大学在学中に、菊池寛らとともに第3次『新思潮』を創刊。古典を題材にして、そこに近代的解釈を加えた短編を多く生み出したが、晩年は自身の陰鬱な精神世界を抽出したような作品も発表した。代表作に『羅生門』『芋粥』『藪の中』『地獄変』など。1927年逝去。
池波 正太郎(いけなみ しょうたろう) プロフィール
1923年、東京生まれ。1955年、東京都職員を退職し、作家生活に入る。新国劇の舞台で多くの戯曲を発表し、1960年、第43回直木賞を『錯乱』によって受賞。1988年、第36回菊池寛賞を受賞。代表作に『真田太平記』『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』シリーズなど。1990年逝去。
滝口 康彦(たきぐち やすひこ) プロフィール
1924年、長崎県生まれ。高等小学校卒業後、事務員、鉱員などを経て作家生活に入る。1957年に『高柳父子』が直木賞候補に。合計6回直木賞候補となった。生涯の大半を佐賀県多久市で過ごし、九州各地を舞台にした小説を数多く発表した。代表作に『拝領妻始末』『薩摩軍法』など。2004年逝去。
南條 範夫(なんじょう のりお) プロフィール
1908年、東京生まれ。東京帝国大学卒業後、経済学者として大学で金融論、経済対策を講じる。1952年に歴史小説『子守の殿』が第1回オール讀物新人杯を受賞し、翌年直木賞候補に。1956年に『燈台鬼』で直木賞を受賞。人気作家になった後も大学の講師を続けた。代表作に『細香日記』『駿河城御前試合』『元禄太平記』など。2004年逝去。
火坂 雅志(ひさか まさし) プロフィール
1956年、新潟県生まれ。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て1988年に『花月秘拳行』で作家デビュー。2007年に上杉景勝の家臣、直江兼続の生涯を描いた『天地人』で第13回中山義秀文学賞を受賞し、2009年にNHK大河ドラマの原作となる。代表作に『覇商の門』『黒衣の宰相』など。2015年逝去。
山田 風太郎(やまだ ふうたろう) プロフィール
1922年、兵庫県生まれ。1947年、探偵小説誌『宝石』の懸賞募集に入選してデビュー。異色の探偵作家として活躍するが、1958年にスタートした「忍法帖」シリーズがベストセラーとなる。2001年の没後も旧作の復刊、未刊行作品の発掘が相次いでいる。『バジリスク~甲賀忍法帖~』(講談社)など、作品のマンガ化や『魔界転生』などの映画化も多数。
山本 周五郎(やまもと しゅうごろう) プロフィール
1903年、山梨県生まれ。本名、清水三十六(さとむ)。横浜市立尋常西前小学校卒業後、東京・木挽町の山本周五郎商店に徒弟として住み込む。関東大震災後、復職せずに文学修業に努める。1943年、『日本婦道記』が第17回直木賞の候補に推されるが辞退。その後も毎日出版文化賞、文藝春秋読者賞に推されるが辞退。代表作に『樅ノ木は残った』『青べか物語』など。1967年逝去。