いかに日本は成立したのか!
出雲から大和への国譲り
その謎に迫る!
日本書紀成立1300年!
「幽(神)」と「顕(現実)」が一体となった古代日本
精霊崇拝から首長霊信仰へ
日本書紀で豪族は王家とつながった!
序 章 「大和と出雲」「幽と顕」の二つの柱を中心に構成された『日本書紀』の神話
第一章 なぜ国史に神代を記したのか
第二章 天の下の主者、伊奘諾尊が誕生させた三貴子
第三章 「天の下」は「出雲」でかつて大和朝廷は出雲文化圏の一部だった
第四章 素戔嗚尊は出雲の治世者でなく治世者の父となる
第五章 出雲の大己貴神の国譲り
第六章 『日本書紀』における「大和」とは何か
第七章 交わり混ざる出雲と大和
六世紀はじめに王家(天皇)が最高神としての天照大神の祭祀を始めたが、その時代の国内の多くの豪族は国魂の流れをくむ神を自家の首長霊として祭っていた。だからこのような国魂信仰と一体のものであった、素戔嗚尊と大国主命を主人公とする出雲神話の流れをくむ神話も全国的に広がりをみせていた。王家は、こういったなかで新たな神である天照大神を権威づける魅力ある神話を作らねばならなかった。しかし大王自身が、物語を創作したわけではない。王家は、王家の祭祀を担当していた中臣氏に新たな神話の作成を委ねたのである。
本文より