『このミステリーがすごい!』大賞 2009年第7回優秀賞受賞作
選考委員の大森望氏が、「ホワイダニット(動機)の謎が明らかになったとき、ずっしり重い衝撃が読者を襲う。堂々たるモザイク・ミステリの秀作だ」と称賛した本作は、30年前に小学校の教室内で起きた児童毒殺事件の真相を、証言や手紙・小説などを通してあぶり出していく犯罪サスペンスです。証言者によって、まったく異なった印象をもつこの事件。取材者が情報を見聞きするたびに、事件は思いもよらない姿にかたちを変えていきます。読者はきっと、次々に現れる“真実”にはっと息を呑むはずです。
●●●あらすじ●●●
那由多小学校児童毒殺事件――男子児童が、クラスメイトの男子児童を教室内で毒殺した事件。加害児童は、三日後に同じ毒により服毒自殺を遂げ、動機がはっきりとしないままに事件は幕を閉じた。
そのショッキングな事件から30年後、ある人物が当時の事件関係者たちを訪ね歩き始めた。ところが、それぞれの証言や手紙などが語る事件の詳細は、微妙にズレている……。やがて、隠されていた悪意の存在が露わになり始め、思いもよらない事実と、驚愕の真実が明かされていく。
そのショッキングな事件から30年後、ある人物が当時の事件関係者たちを訪ね歩き始めた。ところが、それぞれの証言や手紙などが語る事件の詳細は、微妙にズレている……。やがて、隠されていた悪意の存在が露わになり始め、思いもよらない事実と、驚愕の真実が明かされていく。
目次
- プロローグ
1 安田博之の証言
2 平山紀子の証言
3 鳥原貴の証言
4 友田邦彦の手紙
5 織原信子の話
6 櫻井忍の手紙
7 薘田美和の告白
8 友田邦彦の手紙
9 蓬田美和の告白Ⅱ
10 筒井久人の姉の証言
11 蓬田美和の告白Ⅲ
12 「作家のコラム」より抜粋
13 筒井久人の姉の手紙
14 那由多市報一九八〇年三月号より抜粋
15 毒殺魔の教室(第二稿)
16 再会
エピローグ