「不為児孫買美田」
この遺訓に込めた思いを、西郷隆盛はこう語っています。
「何度も挫折をしたり辛い経験を味わってこそ、ひとは初めて強い志を抱けるようになる。信念を持った本当の男ならば、その志を叶えるために玉砕したとしても本望であり、志をまげてただ生き長らえるだけの人生はむしろ恥である。
わが家に伝える私の遺訓をみんなは知っているだろうか。それは『子孫のために、美田を買わず』。すなわち、子どもや孫には財産を遺さないということである」
さて、いまの日本。借金問題にとどまらず、多くの局面で待ったなしの選択と決断を迫られています。この国の新たな努力が世界中から待望され、また厳しく問われている。そんな幕末にも似た時代の大きな節目を生きる私たちが、西郷さんに学ぶべきことはきっと少なくないはずです。