【STORY】 東城大学医学部付属病院では、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門チーム「チーム・バチスタ」を作り、次々に成功を収めていた。ところが今、三例続けて術中死が発生している。しかも次は、海外からのゲリラ少年兵士が患者ということもあり、マスコミの注目を集めている。そこで内部調査の役目を押し付けられたのが、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口と、厚生労働省の変人役人・白鳥だった……。 |
バチスタ手術は、学術的な正式名称を「左心室縮小形成術」という。一般的には、正式名称より創始者R・バチスタ博士の名を冠した俗称の方が通りがよい。拡張型心筋症に対する手術術式である。肥大した心臓を切り取り小さく作り直すという、単純な発想による大胆な手術。 (本書より) |
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組織は安寧だという盲信が崩壊した現代。それは医療の世界も同じこと。悪意は加重増幅され、カタストロフへなだれこむ。善意や向上を目指す意志は砕かれる。それでも何かを守るため、見えない敵と闘い続けるヤツがいる。大学病院という密室の壁を破るのは、蜘蛛の糸より細い意志を紡ぎ合わせた“何か”なのだった、という話です。とは言うものの、白状すれば理屈は後付け、執筆中も読み返した今も、物語に対する自分自身の感想は“ああ面白かった”なのでした。
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- 文庫化して、2007年11月12日に宝島社文庫『チーム・バチスタの栄光(上)』を発売しました。
- 文庫化して、2007年11月12日に宝島社文庫『チーム・バチスタの栄光(下)』を発売しました。